石油連盟は、毎年新しく興味深いトピックをワークショップに取り入れ、これまでエクソン・バルディーズ号事故(1987)、湾岸
戦争による油流出(1991)、ナホトカ号事故(1997)、メキシコ湾原油流出事故(ディープウォーターホライズン、2010)等の大規模油流出事故を
はじめ、最近では、低硫黄燃料の流出事例としてモーリシャス沖の流出事故等から学んだ教訓に基づく対応と準備の戦略について、解説してきました。今回は、
「内戦下における油流出防止活動および直近の事故対応と広報活動」をテーマに、第11回油流出ワークショップを開催します。
イエメン沖では、1976年建造、110万バレルの原油を積載したFSO
“Safer”(浮体式貯蔵積出設備「セイファー」)が、大きな国際問題となっていました。2015年に始まった内戦により、油の積出作業は中断、以来船
は整備もされないままでしたが、2023年、国連主導で環境破壊を防ぐために船を入れ替えるチームが派遣され、抜き取り作業が完了しています。
また、事故対応の成功には、広報活動が非常に大きな要素になってきています。事故において最も効果的に広報活動を管理することの重要性について、この分野ではトップ企業に所属する講師から、実例に基づいたお話を伺う予定です。
さらに、ITOPFには最近の事故のケーススタディについて、講演していただき、Oil Spill Response Limitedからは基調講演として、将来の準備体制について講演していただきます。
講演終了後には、参加者と講演者が自由に討議するためのセッションを設け、質疑応答の他、講演で提起された問題の理解を確認し、掘り下げます。
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