２０１６年はＯＰＲＣ条約が発効された１９９５年から２０年、また石油連盟としても「油流出に関する国際シンポジウム」の第一回開催から回を重ねて２０年という節目の年となる。年１回、交互に開催されるシンポジウムとワークショップは、石油業界及び大規模石油災害対応体制整備事業に関する主題に沿って、最新の大規模油流出事故事例や事故防止・対応の取り組み、新技術の紹介、回収装置と対応技術、人的ネットワークの創出と維持に関する専門家による講演を通して、今後起こり得る大規模な油流出事故への準備体制の整備に寄与することを目的としている。
  昨今の原油価格の下落によって、多くの石油会社や関係機関は、油濁対策を含めた各部門において既存の資源を最大限に活用することを迫られている。こうした状況においてもなお、油流出への備えと海洋環境の保護があらゆる関連組織にとっての最優先事項であることに変わりはない。今回のシンポジウムでは、業界における現状と、然るべき準備体制を維持するための取り組みを主題とする。
  「大規模油流出への準備体制の整備・充実　〜ＯＰＲＣ条約発効から２０年〜」と題した本シンポジウムでは、ＯＰＲＣ条約を最大限に遵守しつつ、いかにして油流出に対する準備体制の最適な水準を見出していくのかについて、国際的に活躍する経験豊富な専門家から直接意見を伺うこととしたい。
  本シンポジウムが参加者各位の油濁対策への理解と知識を深める一助となることを願う。