油流出ワークショップ
大規模油流出対応体制への脅威　

   石油連盟は、毎年新しく興味深いトピックをワークショップに取り入れており、これまでエクソン・バルディーズ号事故（1987）、湾岸戦争による油流出（1991）、ナホトカ号事故（1997）、メキシコ湾原油流出事故（ディープウォーターホライズン、2010）等の大規模油流出事故等、注目に値する事例を取り上げ、そこから学んだ教訓に基づく、油流出対応と準備体制戦略の開発について、解説してまいりました。今回は、「大規模油流出対応体制への脅威」をテーマに、第12回油流出ワークショップを開催します。
   現在、石油業界における大きな懸念のひとつとして、「ダークフリート」または「シャドウフリート」と呼ばれるタンカー船団に関する事故の増加が挙げられます。これらは、ほぼ例外なく老朽化しており、必要な検査を受けておらず、十分な保険を掛けないまま、追跡できないように規制のない航路を使用して、経済制裁を受けている原油を世界中に輸送しています。この船団は、およそ600隻強の船で構成され、過去２年間で多数の事故を起こしています。将来発生する事故の主なリスクに、保険が適切に掛けられていないことで、世界中のコミュニティの環境と財政に深刻な損害をもたらす懸念が生じています。今回のワークショップでは、こうした状況に焦点を当て、国際油濁補償基金（IOPCF）からこの問題の保険について、国際タンカー船主汚染防止協会（ITOPF）からこのような事故を取り扱う場合の技術的な側面について、そしてこれらの事故に実際に対応してきた事業者からお話を伺います。
   講演終了後には、参加者と講演者が自由に討議するためのセッションを設け、質疑応答の他、講演で提起された問題の理解を確認し、掘り下げます。